日本ワインコンクール2017

この時期恒例となった日本ワインコンクールの公開テイスティングに参加してきた。
2003年から始まったこのコンクールは今年で15回目。
これを記念して公開テイスティング前日、山梨市のフルーツパーク富士屋ホテルにおいて
表彰式およびシンポジウムが行われた。

今年は99ワイナリー、726アイテムのワインがエントリー。
25人の審査委員(うち外国から3人)によるブラインドテイスティングにより
金銀銅賞合わせて315アイテムが受賞した。
そのうち金賞は16ワイナリー26アイテム、表彰式ではこの金賞受賞ワイナリーが登壇した。
出品条件に生産本数1000本以上/1アイテムというハードルがあるため大手の受賞が目立ったが
サントリーの5アイテムの次は山梨県の丸藤葡萄酒の4アイテム。
金賞常連ではあるが老舗ワイナリーの貫禄である。
また、北陸では岡山のSAYS FARMのOJIKOCHARDONNAY2016が食い込んだ。
受賞された皆様おめでとうございました!
全受賞アイテムはこちら
日本ワインコンクール表彰式
続いての15周年記念シンポジウムは2部制
第一部は昨年ワイン界のタイトル最高峰、マスターオブワイン(MW)を獲得した
栃木県の山仁株式会社代表取締役、大橋健一氏による講演
「世界市場における日本産ワインの立ち位置」
今の時勢、日本ワインの海外進出は目覚ましいものはあるが進出するだけではダメ
回っていかなければ(最終的にそのワインが売れて、人に消費されなければ意味がない)。
そのためにはこれまで築いてきた(日本国内においての)強み、つまり
日本ワインの歴史や日本の固有品種など(の驕り、と私は捉えた)をいったん解体して
「日本ワイン」というブランドを再構築するべき
そのためにはクオリティーのさらなる向上は必須、と強調した。

大橋MWの叱咤激励を込めた講演のあとは氏も含めたパネルディスカッション
「日本ワインの現状と今後に期待すること」
ファシリテーターに当会理事の石井もと子氏、パネリストは宇都宮仁氏(東京国税局第二部 鑑定官室室長)、
大橋MW、斎藤まゆ氏(Kisvin Winery醸造責任者)、森覚氏(コンラッド東京 エグゼクティブソムリエ)。
国税局の人間が登壇していることで、来年10月30日から施行される「日本ワイン法」、
特にラベル表示についてのディスカッションが多かったが、今の日本ワインじょ現状と今後の期待について
森氏は客の7割が外国人というホテルソムリエの立場として
「日本ワインをオンリストするのは厭わないがまだ(クオリティーの)安定性に欠ける
また、この先ますます外国人観光客が増えていくことに際しての若手の育成(教育)の強化が必要」と強調。
カリフォルニア州立大学で醸造を学び、同校の醸造アシスタントを経験している斎藤氏は
「いいブドウがようやくできるようになってきて、若手醸造家たちもとても熱心
将来は外国人旅行者が金閣寺ではなく、このワイナリーのこの畑を目指してくるような環境にしたい」と熱く語った。
大橋氏は「チリやアルゼンチンなどのコスパの良さには勝てない、
値段を下げられないのならやはりブランド力を強化するしかない」。
総評すると、確かにクオリティーは年々上がってきているが、
世界と戦うためには「クオリティーのさらなる向上」が求められているということに尽きるようである。

翌日、場所を甲府の富士屋ホテルに移し公開テイスティングが開かれた。
毎年この募集が始まるや否や即完売というこのテイスティングは今年も大盛況。
朝の10時から日本ワインラヴァーたちが全国から集まった。
過去にメダルの色に関係なく端からスパークリング→白→赤→甘口と攻めていくうちに
酔いが回り始め失敗した経験を反省し、今回はある程度ターゲットを絞って回ることにした。
それでも5時間の間にたった34アイテムしか辿れなかったが。
今回のうれしい発見その1
甲州やマスカット・ベーリーAなどの日本固有の品種、
シャルドネやメルローといった国際品種ではあるが、
日本ワインとしてもだいぶ根付いた品種などのクオリティーの向上を確認しつつ、
ソーヴィニョン・ブランや最近増え始めたアルバリーニョのクオリティーに驚いた。
これまでのこれらの品種は「へぇ、日本で造るとこういうニュアンスになるんだ?」と
美味しいながらも、その品種本来のよさが発揮しきれていない物足りなさを感じていたのだが
この両品種はブラインドで出されたらソーヴィニョンはロワール?アルバリーニョはリアス・バイシャス?
間違えてしまいそうである。
その土地を表現したソーヴィニョンやアルバリーニョがあってももちろんいいとは思うけれど。
今回のうれしい発見その2
若い醸造家が増えた!
(しかも女性も多い!)
ブドウ栽培農家の後継者問題が深刻になって久しいが
こういう志の高い若者が少なからずいることは頼もしい限り。
日本ワインのクオリティーが上がっているのは確かだが
前述の講演やディスカッションで取り上げられた通り
市場の確立していかなければならないし、クオリティーもまだまだ向上の余地がある。
これからの日本ワインを牽引していくであろう彼らの活躍を
日本ワインを飲みながら応援して行きたいと思う。
(2017年9月1日・2日取材)
日本ワインコンクール 大御所
日本ワインコンクール 若者大御所も若者も


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