2011年6月24日(金)
「日本ワインを愛する会」総会および懇親会於:アグネスホテル(東京・神楽坂)年に一度のお楽しみ(?)
今年もこの日がやって参りました。
でも今年は何かが、どこかが違います。
この会の最初の告知を「日本ワインを愛する会」HPでしたのは今年の2月18日。
いくら一大イヴェントにしても4ヶ月前に告知するはずもなく・・・
そう、最初にこの会を予定していたのは3月18日。
震災の1週間後。
あの惨く忌まわしい東日本大震災。
起こった直後は事の重大さがまだわからず、
しかしながらただ事ではないことだけは周囲の混乱で察知できましたから
(個人的なことで恐縮ですが)翌土曜から行くはずだった
能登マラソンの仲間内バスツアーを急遽中止にし、
結果、それは正解でした。(マラソン自体は決行されたみたいですが)
道路は寸断され、交通は乱れに乱れ、もし行けたところでも帰ってこられなかったでしょう。
それから1日経ち2日経ちでだんだん状況が把握でき・・・
津波の被害、原発の放射能漏れ・・・・・
惨く悲しい映像が毎日映し出されます。
自粛それからしばらく、この言葉が世の中を席巻しました。
当会の総会もこの流れに呑まれた感は否めないところですが
何しろ交通がマヒしてますから、人もワインも運ぶことが出来ず
物質的に開催は不可能、との判断に至りました。
あれから3ヶ月が過ぎ
復興と呼べる日はまだまだ遠いですが
節電しながらも少しは落ち着きを取り戻しつつあります。
自粛ムードも「復興支援」に矛先を変えて
稼動再開の動きが活発になってきました。
当会もこの時期が再開の時と判断し
「日本ワインを飲んで東日本を応援する!2011」と改めて銘を打ち、この6月24日に開催の運びとなったわけです。
前置きがだいぶ長くなりましたが。
今年は当会の総会が始まってお初
神楽坂の隠れ家的(?)ホテル
アグネスホテルで行いました。
外国のお客様がよく使われる洗練されたホテルです。
そしてもうひとつお初
総会の前にワイナリーさんを対象としたセミナーを行いました。
タイトルは
ワインに含まれるポリフェノール効果について
講師は
お茶の水女子大学大学院教授
生活環境教育研究センター
近藤和雄氏「赤ワインに含まれるポリフェノール」が謳われるようになって久しいですが、
じゃあ実際にどうなのか?
をいろいろな凡例を用いてお話くださいました。

近藤和雄教授

造り手のみなさん、真剣です(勉強熱心なのか、はたまた自身の体が気になるのか???)
動脈硬化の予防に効くと言われてますが
そもそも動脈硬化は、血管が詰まり始めてから75%にもなってようやく自己症状がでるらしい。
つまりは50%(ってもうけっこうヤバイ数値だと思うのですが)では自分ではまったく気がつかない・・・
などと軽く脅されー

コレステロールには善玉(HDL)と悪玉(LDL)があるのは有名です。
‘善玉がいい奴で悪玉が悪い奴’
とかくこのように思われがちですが
実はLDL自体が直接悪いわけではなく、LDLが酸化して酸化LDLとなったときに
HDLを押しのけてしまい、結果、動脈硬化を引き起こす
・・・らしいです。
ここまで説明されてもピンとこない鈍鈍な私ですが(血管99%詰まってても気づかないかも)
要はLDLを酸化させないように手助けするのが
ポリフェノールというわけです。
ポリフェノールはさまざまな食品に含まれていて、7000~8000もの種類があるらしいです。
その中でも赤ワインは、ぶどうの果皮や種子に由来するアントシアニンとタンニンがこれに相当します。
これらのポリフェノールを
適宜摂ることによって、LDLの酸化を防ぐことになるそうです。
赤ワインなら
1日ハーフボトルとか

まぁ、これじゃ足りない、と思ったほとんどの皆さん
ほどほどが大切。
さて
これから本編の始まりです。
まずは山本博会長の挨拶から
震災1週間後に控えていたこの会
自粛などと言わずに東北支援のためにも決行したかった
(↑彼はホンキでした)
が、やはり物流等の事情でかなわず
本日(6月24日)の開催となったわけですが
幸い、東北地方のワイナリーの建物設備倒壊やワイン破損など、大きな被害はなかったものの
観光と抱き合わせのようなワイナリーの売り上げは激減
ここでの支援とは
東北地方のワインを飲んでもっと知って!
山本会長 東北復興を訴えます
会長の叫びにも似た声が響きました。
続いて爽快!、ではなく総会
遠藤事務局長が活動報告
昨年2月の「和食にピッタリ日本ワイン」に始まり、浅草の浴衣でワイン、ペニンシュラホテルの日本ワインディナーなど、様々なイヴェントがありました。また、今年に入っては、民主党での日本ワインの講演や外務省でのセミナー等が行われています。
今後はいくつかのメーカーズディナーやワイナリーツアー、そして
日本ワイン検定を予定しています。
受けたら受かるかなぁ~


おなじみ(?)遠藤事務局長
そして懇親会
100名の精鋭たちに122アイテム(40社)のワインが挑みます。
その前に辰巳琢郎副会長が音頭をとります。
1、2、3・・・カンパ~イ


このような形式の大規模なイヴェントになってから今回で5回目(2007~)となりますので
我々もそうですが、出展者の造り手も来場者も慣れたもの

造り手の皆さんは次々にワインを並べ抜栓(初期のころは私もせっせと抜栓をして翌日至極肩がこった記憶あり)、来場者には常連さんの顔も多く、個々に目的意識をもってテイスティングに望まれる方が多かったです。

ガンバレ!東北

活気に溢れかえってますねぇ

アグネスホテルのお料理 フィンガーフードが充実していて食べやすい
今回のワインリストは以下のとおり
★池田町ブドウ・ブドウ酒研究所
十勝ワイン シャトー十勝 2005
十勝ワイン バッカス 2009
十勝ワイン 山幸 2005
十勝ワイン 町民用ローゼ NV
★北海道ワイン
鵠沼ツヴァイゲルトレーベ 2008
北海道ケルナー 2009
特撰ナイアガラ 2009
おたるケルナースパークリング NV
★エーデルワイン(岩手)
五月長根葡萄園 2009
ハヤチネゼーレ ツヴァイゲルトレーベ 2007
ハヤチネゼーレ メルロ 2007
★高畠ワイン(山形)
高畠シャルドネ ナイトハーベスト 2009
酸化防止剤無添加スパークリングシャルドネ 2010
酸化防止剤無添加JAS有機栽培デラウエア 2010
酸化防止剤無添加スパークリングナイアガラ 2010
★タケダワイナリー(山形)
蔵王スターワイン(白&赤) NV
★たてしなップル(長野)
たてしなップルシードル オリジナル 2009
たてしなップルシードル セック 2009
★楠わいなりー(長野)
シャルドネ 2009
ピノ・ノワール 2008
カベルネ・メルロー 2009
★マンズワイン(長野・山梨)
ソラリス信州カベルネ・ソーヴィニヨン 2006
ソラリス信州シャルドネ樽仕込 2008
リュナリス メルロ 2010
リュナリス シャルドネ 2010
★ココ・ファーム・ワイナリー(栃木)
足利呱呱和飲 2009
甲州F.O.S 2007
タナ・ノートン 2008
こころぜ NV
★サントリー登美の丘ワイナリー(山梨)
登美の丘 甲州 2009
登美の丘 赤 2008
登美の丘 シャルドネ 2008
ジャパンプレミアム マスカット・ベーリーA 2009
★丸藤葡萄酒工業(山梨)
ルバイヤート甲州シュール・リー 2010
ルバイヤート ソーヴィニヨン・ブラン 2010
ルバイヤートプティヴェルドー古町屋収穫 2009
ルバイヤートマスカットベリーA樽貯蔵 2009
★中央葡萄酒(山梨)
セレナ ケルナー 2009
セレナ ロゼ 2009
セレナ エステート シャルドネ 2009
セレナ マスカットベリーA 2009
★シャトージュン(山梨)
セレクト白 NV
甲州 2009
シャルドネ 2009
セミヨン 2009
★盛田甲州ワイナリー(山梨)
シャンモリ 柑橘香 甲州 2010
シャンモリ 樽熟成 甲州 2010
シャンモリ 樽熟成 マスカットベリーA 2009
シャンモリ 樽熟成 マスカットベリーA 2008
★勝沼醸造(山梨)
勝沼甲州樽発酵 2008
勝沼甲州シュール・リー 2009
御坂甲州 2009
勝沼町収穫 甲州ヴィンテージ 2009
山梨県収穫 ベリーAヴィンテージ 2009
★原茂ワイン(山梨)
ハラモヴィンテージ シャルドネ 2008
ハラモヴィンテージ 甲州樽熟成 2008
ハラモヴィンテージ シュールリー 2010
★志太 中伊豆ワイナリー シャトーT.S(静岡)
志太農場シュールリー 2009
志太メルロー 2009
志太シャルドネ安曇野志太農場 2009
★広島三次ワイナリー
TOMOEシャルドネ新月 2009
TOMOEメルロー樽熟成 NV
TOMOEメルローロゼ 2009
TOMOEマスカットオブアレキサンドリア×レッドパール 2010
TOMOE小公子 2009
以上、担当者来場
以下は協賛いただき担当者は不在
★富良野市ぶどう果樹研究所(北海道)
羆の晩酌 2008
ミュラートゥルガウ 2010
★フェルミエ(新潟)
カベルネ・フラン 2009
アルバリーニョ 2009
マスカット・オブ・アレキサンドリア
★岩の原葡萄園(新潟)
マスカット・ベーリーA 2008
スパークリングワイン ブラン・ド・ブラン ローズ・シオター NV
スパークリングワイン ロゼ マスカット・べーリーA NV
★安曇野ワイナリー(長野)
山ぶどう辛口 2009
★井筒ワイン(長野)
NACメルロー 2009
NACメルロー樽熟 2008
NACシャルドネ 2009
NACシャルドネ樽熟 2009
★小布施ワイナリー(長野)
シャルドネ プライベートリザーヴ 2009
ドメイヌ ソーヴィニヨン・ブラン 2010
ドメイヌ ドウジェーム 2008
ドメイヌ プライベートリザーヴ 2008
ビオ カベルネ・フラン 2008
★サンクゼール(長野)
スシ&バブル NV
シードル トラディショナル 2009
竜眼 2010
★ぶどうの郷山辺(長野)
ヴァン・ド・ソレロ・サン・セミヨン 2007
★シャトーメルシャン(山梨)
シャトー・メルシャン 長野メルロー 2008
シャトー・メルシャン 新鶴シャルドネ 2009
★旭洋酒ソレイユワイン(山梨)
それいゆ ピノ・ノワール 2008
★蒼龍葡萄酒(山梨)
甲州樽発酵 2009
メルロ&カベルネ 2008
★フジッコワイナリー(山梨)
甲州シュール・リー 2009
マスカットベリーA樽熟成 2009
★江井ヶ嶋酒造山梨ワイナリー
シャトー・カベルネ・フラン プレミアム無濾過 2006
★大和葡萄酒(山梨)
ミネラル甲州+WA 2010
微睡 2010
★サッポロワイン勝沼ワイナリー(山梨)
グランポレール北海道余市ピノ・ノワール 2009
グランポレール長野古里ぶどう園カベルネ・ソーヴィニヨン 2005
グランポレール北海道余市ケルナー遅摘み芳醇 2008
グランポレール山梨甲州樽発酵 2008
グランポレール岡山マスカットベリーA樽熟成 2009
★麻屋葡萄酒(山梨)
麻屋ルージュ 2009
麻屋ヴェール 2009
★三養醸造(山梨)
窪平 白 NV
★木下商事シャトー酒折ワイナリー(山梨)
マスカットベリーA 樽熟成 2008
甲州樽発酵 2009
デラウエア 2010
★本坊酒造山梨マルスワイナリー
甲州ヴェルディーニョ 2009
ペティアンドマルス NV
三元蔵ルージュ 2004
甲斐ノワール 2006
カベルネ・ベリーA 穂坂収穫 2008
★秩父ワイン(埼玉)
甲州樽貯蔵 2007
G3 赤 2002
G3 白 2002
限定赤 2003
源作印 ロゼ NV
★永山酒造山口ワイナリー
シャトーヤマグチ カベルネ・フラン 2001
シャトーヤマグチ メルロー 2004
シャトーヤマグチ シャルドネ 2002
ザッと並べてみましたが、いやぁ、飲み応えもありましたが見応えもスゴイです。
「お、こんなところでこんな品種造ってるんだ!?」という驚きは多少あったものの
実験的なワインはそう多くはなく、その土地で定着した品種で確実なワイン造りをしているなぁという安心感があったように思います。
実験という階段を上り終え、その品種で造るワインをいかに安定させ、品質向上へのさらなるステップアップの段階に来ているのではないかと。
私などよりはるかに精しい日本ワイン通の来場者たちの
「前のヴィンテージに比べて・・・」というセリフをあちこちで聞きましたから。
会の途中では葡萄酒技術研究会会長の戸塚昭氏から「来年からエノログ大賞のコンクールを始める

」話や辰巳副会長のいつもの「レストランで
あれ、日本ワインないの?発言運動促進」の話で盛り上がりー

泣く子も黙る(ゴメンナサイ

)戸塚会長
最後は麹谷宏理事の「みなさんに日本ワインをこれだけ注目してもらってうれしく思う。ここを拠点にさらに広めていって欲しい」(←ほろ酔い

)の言葉でお開きとなりました。

麹谷理事、気持ちよさそうでしたー
造り手も来場してくださった飲み手も一段一段確実に階段を上っていっているのがわかるステキな会でした。
あとはこの場にいない、まだ日本ワインを知らない人たちをズルズルと(?)こちら側の階段一段目に載せること、これが我々の使命だなぁ、と改めて感じた次第です。
長くなりました。
最後に造り手のみなさま、いつもいつもありがとうございます。来場してくださったみなさま、ほんとうにありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
なお、当日募った義捐金の詳細につきましてはまた後日報告させていただきます。
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